「地域おこし協力隊」を募集している高知県中土佐町。
今回は、森林資源の活用支援業務について詳しくお伺いいたしました。

【大野見地区とは、そして募集の背景】


大野見地区の面積のうち93%が森林

大野見地区は四万十川上流域に位置する山村地域で、ヒノキやブランド米、七面鳥が特産品となっています。
地域住民は山とともに生活してきましたが、近年は木材価格の低迷等により、森林資源が豊富にあるにもかかわらず、住民の山への関心が薄れつつあります。

そうした中で、再び山へ目を向けるために、地元企業を中心にヒノキオイルの精製、クロモジを使った商品開発、生薬原材料の納入等に取り組んできましたが、担い手の高齢化、後継者の人材不足により、事業の存続・拡大が困難となっているため、必要な技術や知識を習得し、想いを引き継いでいける人が欲しいようです。

ヒノキオイル・クロモジについて

ヒノキオイル・クロモジ茶を生産されている、大野見本社の高知精工株式会社へお邪魔してきました。
代表取締役の市川社長、工場長の尾崎さんへ話をお伺いしました。


左から尾崎さん、市川社長

-本日はよろしくお願いいたします。大野見地区での地域おこし協力隊となった際には、高知精工さんを拠点として様々な業務を担われるとお伺いしております。
その中で、ヒノキオイルの開発話や高知精工さんについて教えてください。

尾崎さん:よろしくお願いします。ヒノキオイルについては、近年木の価値や需要が下がってきている中で、間伐材を何かに利用できないかという話がありました。

そして、たまたまお客さんから「石鹸の材料になるヒノキオイルを作れないか」という相談があり、注目したのが間伐時にでるヒノキの葉でした。


尾崎さんとヒノキの葉

-ヒノキの葉ですか。間伐材ではなく、「葉」に着目されたのはなぜでしょうか?

尾崎さん:もちろん、間伐材の木からヒノキのオイルを抽出することが主流にはなっているのですが、葉からとるオイルでは香りや色が違います。

焼酎と同じような蒸留方法で抽出してます。

-それは興味深いですね!ヒノキオイルはどのような用途で利用されるのでしょうか。

尾崎さん:主には業者さん向けに販売しており、アロマやマッサージ、お風呂やフローリング用にご利用いただいているようです。

この他、自社のホームページでも販売していますので一般の方もお買い求めいただけます。

-そうなんですね。他にも作られているものはありますか?

尾崎さん:あとは、ヒノキチップやクロモジ(黒文字)という高級爪楊枝で使われる木から、お茶を作ってます。ヒノキチップは、とある有名布団メーカーさんの枕の中身にも使っていただいてますね。


左:ヒノキオイル、右上:クロモジ茶、右下:ヒノキチップ

-枕に使われているのですね!面白いです。実際に製造現場を見せていただきたいのですが、ヒノキオイルの生産量はどれくらいでしょうか。

尾崎さん:もちろんです。そうですね、こちらが抽出する機械になるのですが、葉っぱを満タンにして300kg入ります。
抽出量がおおよそ1%ですので、一回当たり3kg分ほどですね。

市川社長:月の生産量にばらつきがありますが、大体18kg前後でしょうか。多いときは30kgくらいです。
季節によって葉に含まれる油分量が変わり、やはり冬が一番多いです。


抽出する機械に実際に葉が入っている写真

-1%!?想像以上に少ないんですね。もちろん抽出に時間がかかると思うのですが、できるまでの過程はどのようになるのでしょうか。

市川社長:「葉を削ぐ→機械に入れる→抽出→冷ます」の工程で、最低2日はかかりますね。

抽出だけでも7~8時間かかりますし、抽出後は冷まさないといけない。
葉そのものも自分達で取りに行かないといけないので、結構大変なんですよ。笑

尾崎さん:その傍らヒノキチップを作っているのですが、間伐材を機械に通して、漉すという作業をしてます。全て一人でやってますよ。

-ありがとうございます。ちなみにこのヒノキオイルなどが占める会社の売上というとどうなのでしょうか?

市川社長:微々たるものです。主には、ミシンの「カマ」という部品を製造している会社ですので売上のほとんどは金属部品ですね。有名なミシンメーカーさんに卸しているんですよ。


工場内では、社員さんが黙々と作業をされています

何をするのか、何ができるのか

-それでは実際に、“地域おこし協力隊”が来られたら、具体的にはどのような業務を担ってもらうようになるのでしょうか。

市川社長:ヒノキオイルやクロモジ製品の活用支援、webを通した情報発信や広報をしていただきます。

当社のホームページ運営も行っていただきたいですね。他にもイベントへの出店など、幅広く携わっていただけると思います。

特定の業務をしないといけないという訳ではないので、柔軟にやりたいことをやれる環境かと思いますね。

尾崎さん:仕事をする中で、困った時は社員同士助け合いながら仕事をしています。個人的なことでも地域の人に助けていただく環境があります。
なので、お一人でも心配なくお越しいただければと思います。

-小さいコミュニティーだからこそ、自然と助け合いながら仕事と生活のバランスが取れるのですね!
少し話は変わってしまいますが、プライベートなお時間は何をされていますか?

市川社長:ほぼ家で、家事全般してます。笑

-笑 ご出身は中土佐町ですか?

市川社長:出身はこちらですが、ここに入社する前は造船の会社で働いてました。

-造船ですか!何をきっかけに戻って来られたのでしょう?

市川社長:結婚を機にですね。高知市内にいる時は、よさこいを踊ったりもしてましたね。遠い昔の話ですが。笑

-よさこい良いですね!地域おこし協力隊として来られる方には、仕事以外の生き方や暮らし方に何かを求めてくる人もいると思いますが、大野見での暮らしはどんなことができると思いますか?

尾崎さん:やはり自然豊かで土地がありますので、畑などができることは魅力かなと思いますね。

畑を借りることもできますし、知識は地域の人が無償で教えてくれます。

あとは、自然に資源もあるので森林資源を使って何かモノづくりがしたい方は良いと思いますよ。

また、四万十川の上流域に位置している地域ですので、アメゴやアユなどの川釣りをのんびりと楽しむこともできます。

-最後になりますが、会社として今後の目標を教えていただけますでしょうか。

市川社長:やはりこの大野見地区に根付く企業として、事業を継続させ雇用を守っていきたいです。

ヒノキオイルに関しては、もっともっと外へアピールをして、良い物だと知っていただきたいと思っています。

その中で、ヒノキオイルを使った新商品や派生した商品を出していければと考えています。

-本日はありがとうございました。


会社の敷地に積み上げられたヒノキ

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